通の釣り方に挑戦
ウキフカセ釣りって、釣りの中でも「通」の釣り方というイメージがある。コマセを撒いて潮を読んで、ウキの動きに全神経を集中させる。サビキやルアーとは違う、静的な釣り。やってみたかった。
2025年4月、上佐波賀の護岸へ。ここは舞鶴湾の奥まった場所にある静かなポイントで、カキ筏が浮かぶ風景が美しい。チヌ(クロダイ)の実績があり、ウキフカセの練習にはちょうどいい。
仕掛けとコマセワーク
道具はウキフカセ用の磯竿に、円すいウキ。ハリスはフロロカーボンの1.5号。エサはオキアミ。コマセは配合エサにオキアミを混ぜたもの。
まず柄杓でコマセを5〜6杯撒いて、同じラインに仕掛けを投入。ウキが潮に乗ってゆっくり流れていく。コマセとサシエ(針に付けたエサ)が同調するように、追いコマセを入れる。
理論はわかっている。でも実践は難しい。
3時間半の沈黙
1時間経過。アタリなし。ウキは静かに流れ続ける。
2時間経過。アタリなし。コマセだけがなくなっていく。
3時間経過。まだアタリなし。
「今日もダメか」と思い始めていた。3時間半の沈黙は長い。ルアー釣りなら歩き回ってポイントを変えられるけど、フカセは同じ場所で粘るのが基本。忍耐力が試される。
ウキが消し込んだ瞬間
3時間半を過ぎた頃。何気なくウキを見ていたら、スーッと海中に消し込んだ。
反射的に合わせた。ズシンと重い。竿が大きく弧を描く。「来た!」と叫んだ。
走る。チヌ特有の横への突っ込み。ドラグを効かせながら耐える。カキ筏に巻かれたらアウトだ。竿を立ててプレッシャーをかけ、少しずつ寄せる。
玉網ですくった瞬間、思わず「よっしゃ!」と声が出た。35cmのチヌ。銀色に輝く、きれいな魚体。
待った甲斐があった
3時間半待った甲斐があった。ウキフカセは「待ちの釣り」と言われるけど、だからこそ釣れたときの感動が半端ない。あのウキが消し込む瞬間、心臓が止まるかと思った。
チヌは塩焼きにした。身が締まっていて、噛むほどに旨味が広がる。上佐波賀の景色を思い出しながら食べる夕飯は格別だった。

