よくある問題と解決法
釣りの最中に起こるトラブルは、誰でも経験するものです。
事前に対処法を知っておくだけで、当日の気持ちにぐっと余裕が生まれます。
このガイドでは、初心者がよく遭遇する10のトラブルについて、状況の説明・ステップバイステップの対処法・予防のコツをまとめています。
糸が絡まったとき、焦って強く引っ張ると結び目がきつくなり、ますますほどけなくなります。まずリールのベールを起こして糸にテンションがかからない状態にしましょう。
スプールから糸を少しずつ引き出し、輪になっている部分を見つけます。輪を一つずつ丁寧にほぐしていきます。ペンの先や針先で輪をつまむと作業しやすいです。全体を一気に直そうとせず、1つずつ解いていくのがコツです。
PEラインはコシがなく絡みやすい素材です。絡んだ場合はナイロンライン以上に慎重にほぐしましょう。PEは摩擦に弱いため、無理に引くと毛羽立ちが生じて強度が大幅に落ちます。ほぐした後は傷がないか指で確認してください。
5分以上ほぐしても解けない場合は、思い切ってハサミで絡んだ部分を切りましょう。切った後は電車結びやFGノットで結び直せます。現場で時間を浪費するより、切って結び直した方が効率的です。
予防のコツ
編集長のワンポイント
ハサミ(ラインカッター)は釣りの必需品です。100円ショップの小型ハサミでもOK。必ずポケットに入れて持参しましょう。
根がかりしたと思ったら、まず糸を少しゆるめて2〜3秒待ちましょう。潮の流れで仕掛けの向きが変わり、自然に外れることがあります。強く引くと針が深く食い込んで完全に外れなくなります。
竿先を海面近くまで下げ、引っかかった方向とは反対に竿を左右にゆっくり動かします。角度を変えることで岩の隙間から仕掛けが抜けることがあります。左右に3〜4回試してみましょう。
竿で外せない場合は、リールのドラグをゆるめて竿を置き、ラインを直接手に巻きつけて引っ張ります。素手だと手を切る危険があるので、必ずタオルか手袋を使いましょう。竿に負荷をかけるより効果的です。
どうしても外れない場合は、ラインを切って仕掛けを諦めます。竿の破損を防ぐため、竿を引っ張って切るのは避けてください。予備の仕掛けに交換して釣りを続行しましょう。
予防のコツ
編集長のワンポイント
根がかりは避けられないトラブルです。仕掛けは消耗品と割り切って、予備を多めに持っていきましょう。根がかりのたびに落ち込まないことが大切です。
同じ堤防でも、わずか5m移動するだけで海底の地形や潮の流れが変わります。周りで釣れている人がいたら、その近くに移動するのが最も効果的です。「角」や「先端」「常夜灯の下」は魚がたまりやすいポイントです。
魚が最も活発にエサを食べるのは日の出前後の「朝マズメ」と日没前後の「夕マズメ」です。昼間に全く反応がなくても、この時間帯には急に釣れ始めることがあります。特に朝マズメの1時間が勝負どころです。
エサがズレていたり鮮度が落ちていると魚は食いつきません。10分に1回はエサの状態を確認し、新しいものに交換しましょう。サビキの場合はコマセカゴのアミエビを詰め直すことで反応が変わることも多いです。
魚は水深によって回遊する層が違います。底付近で反応がなければ、リールを2〜3回巻いて中層を探ってみましょう。表層まで含め、1mずつ上から下まで試すのが基本です。3回投入して反応がなければ次のタナに移りましょう。
予防のコツ
編集長のワンポイント
「ボウズ(1匹も釣れないこと)」は上級者でも経験します。大切なのは原因を分析して次回に活かすこと。釣れなかった日のことこそメモに残しておきましょう。
飛距離を出すコツは腕力ではなく、竿のしなりを活かすことです。バックスイングで竿を後ろに引いたとき、竿先にオモリの重みを感じるまで一瞬「タメ」を作りましょう。その反発力を使って前に振り出すと、力まなくても遠くに飛びます。
糸を離す(リリースする)タイミングが早すぎると上に飛び、遅すぎると手前に落ちます。竿が頭の真上を通過するあたり(時計でいう1時の位置)で人差し指を離すのが目安です。何度も練習して自分のタイミングを見つけましょう。
竿のガイド(糸を通す輪っか)に糸が正しく通っていないと飛距離が出ません。1つでも飛ばしているとラインの摩擦が増えて飛距離が激減します。セッティング時にすべてのガイドに糸が通っていることを確認しましょう。
竿に対してオモリが軽すぎると竿のしなりを活かせず飛びません。逆に重すぎると竿が折れる危険があります。竿に記載されている「適合オモリ号数」の範囲内で、やや重めを選ぶと飛距離が出やすくなります。
予防のコツ
編集長のワンポイント
堤防のサビキ釣りなら、実は遠くに投げる必要はありません。足元に落とすだけでOK。「飛ばさなきゃ」というプレッシャーを感じる必要はないですよ。
素手で針を外そうとすると、魚が暴れて手に針が刺さる危険があります。必ずプライヤー(ペンチ型の針外し)を使いましょう。魚をタオルで軽く押さえ、プライヤーで針の軸をつかんで、刺さった方向と逆にひねるように外します。
フックリムーバー(針外し棒)は、魚を触らずに針を外せる便利な道具です。糸をたどって針外し棒を魚の口の中に滑り込ませ、針の軸を棒の溝に引っかけ、押し下げるようにすると針が外れます。魚にも手にも優しい方法です。
針先が浅く刺さっただけなら、そのまま刺さった方向と逆にそっと引き抜きます。抜いた後は清潔な水で洗い、消毒液で消毒し、絆創膏で保護しましょう。
針の「カエシ」(返し)まで刺さってしまった場合は、無理に抜かないでください。逆方向に抜くとカエシが肉を引き裂きます。針をテープで固定して動かないようにし、そのまま病院を受診しましょう。救急で対応してもらえます。
予防のコツ
編集長のワンポイント
釣り場には必ず絆創膏・消毒液を含む簡易救急セットを持参してください。100円ショップで揃えられます。
風で糸がふけると感度が落ち、アタリがわかりにくくなります。キャスト後は竿先を水面近くまで下げ、ラインを海面につけることで風の影響を大幅に減らせます。リールを巻いて余分な糸ふけを取るのも基本です。
通常のオモリでは風に流されて仕掛けが安定しない場合、1〜2号重いオモリに変更しましょう。オモリが重いと仕掛けが底に安定し、風の影響を受けにくくなります。ただし竿の適合オモリ範囲内で調整すること。
追い風(背中から吹く風)なら飛距離がアップし、糸ふけも出にくくなります。堤防の反対側に移動する、風裏になるポイントを探すなど、風向きに合わせた場所選びが重要です。
通常のオーバーヘッドキャストだと仕掛けが風に煽られます。サイドキャスト(横投げ)にすると弾道が低くなり、風の影響を受けにくくなります。周囲に人がいないか確認してから行いましょう。
予防のコツ
編集長のワンポイント
天気予報で風速をチェックする習慣をつけましょう。風速5m/s以上で「やや強い風」、8m/s以上で「初心者には厳しい」が目安です。
エサが取られるのは、ターゲットの口に対して針が大きすぎる可能性があります。針のサイズを1〜2号小さくするだけで、フッキング率(針にかかる確率)が大幅に上がることがあります。小さな魚には小さな針が鉄則です。
アタリを感じてすぐに竿を上げると、まだ魚が針をしっかりくわえていないことがあります。「コツコツ」という前アタリの後、「グーッ」と竿先が持っていかれる本アタリを待ってから合わせましょう。逆に、小さな魚の場合は即合わせの方が有効な場合もあります。
エサが簡単に取られるなら、針にしっかり固定する付け方にしましょう。青イソメなら針を2〜3回通す「縫い刺し」にする、オキアミなら尾を取って背中から刺すなど、エサが外れにくい方法があります。
フグなどのエサ取り名人が多い場所では、エサの種類自体を変えるのも手です。青イソメからオキアミに、あるいはコーンやイカの短冊など硬めのエサに変更することで、本命の魚に届きやすくなります。
予防のコツ
編集長のワンポイント
エサが取られるということは、そこに魚がいる証拠です。諦めず、針やエサを工夫してみましょう。
ドラグとは、大きな魚がかかったときに糸が切れないよう、一定の力で糸を送り出す機構です。スピニングリール上部のつまみを回して調整します。目安は、糸を手で引っ張ったとき「ジーッ」とやや抵抗がありつつ出ていく程度。締めすぎると糸が切れ、緩すぎると針がかりが甘くなります。
ベール(糸巻き部分のアーム)がリールを巻いても自動で戻らなくなった場合は、内部のバネが弱っています。応急処置として手動でベールを戻してから巻けばOK。帰宅後に釣具店でバネの交換を依頼しましょう。
ハンドルを回すときにゴリゴリとした感触がある場合、内部のベアリングに砂や塩が入っている可能性があります。応急処置はありませんが、釣り続けることは可能です。帰宅後に真水で軽くすすぎ、乾燥させてからオイルを差しましょう。
ラインがスプールからふわっと浮き上がる症状は、糸ヨレ(ねじれ)が原因です。仕掛けを付けずに糸を50m出し、水中で引きずりながらゆっくり巻き直すと解消します。それでも直らない場合は新しいラインに巻き替えましょう。
予防のコツ
編集長のワンポイント
リールは精密機械です。シーズン終了後には釣具店でオーバーホール(分解清掃)を依頼すると、長く快適に使えます。
アジやイワシなどの小型魚は、氷水に入れる「氷締め」が最も簡単です。クーラーボックスに氷を入れ、海水を加えて0℃近い氷水を作ります。釣れた魚をすぐにこの中に入れると、急速に冷えて鮮度が保たれます。真水ではなく海水を使うのがポイントです。
30cm以上の魚は、エラの付け根をハサミかナイフで切って血抜きをしましょう。エラ蓋を開け、エラの根元にある太い血管を切断します。切ったら海水を入れたバケツに頭を下にして入れ、1〜2分で血が抜けます。血抜きをすると身の臭みが減り、格段に美味しくなります。
魚の目と目の間の少し上あたりに、ナイフの先端やフィッシュピックを刺すと即死します。魚が暴れて身が痛むのを防ぎ、鮮度を最高の状態で保てます。専用のツールがなくても、プライヤーの先端で代用できます。
クーラーボックスには氷を多めに入れ、魚が直接氷に触れないようビニール袋か新聞紙で包むのが理想です。氷焼け(魚の表面が白くなる)を防げます。帰宅後はなるべく早く調理するか、ラップで包んで冷蔵庫に入れましょう。
予防のコツ
編集長のワンポイント
「釣った魚を美味しく食べる」のも釣りの醍醐味です。少し手間をかけて締めるだけで、味が全く違いますよ。
遠くで雷が鳴り始めたら、その時点で釣りを中止して避難してください。カーボン製の釣り竿は電気を通しやすく、雷の標的になります。堤防や磯は周囲に高い建物がないため特に危険です。「ゴロゴロ」が聞こえたら30分以内に雷雲が頭上に来る可能性があります。車や頑丈な建物内に退避しましょう。
波の高さが1.5mを超えたら堤防でも危険水域です。波は不規則で、10回に1回は通常の1.5倍の高波が来ます。天気予報で「波の高さ2m以上」と出ている日は釣行を中止しましょう。海に背を向けないこと、ライフジャケットを着用することが基本です。
以下の兆候が一つでもあれば即撤退です。(1)雷の音が聞こえる (2)急に風が強くなった (3)波が堤防に打ち上がり始めた (4)空が急に暗くなった (5)気温が急に下がった。「せっかく来たのにもったいない」という気持ちは捨てて、命を最優先にしてください。
小雨程度なら釣り人が減り、魚の警戒心も薄れて好釣果になることがあります。レインウェアを着て釣りを続行する価値は十分あります。ただし、雷を伴う雨や本降りで足元が滑る場合は中止しましょう。レインウェアと着替えを車に常備しておくのが鉄則です。
予防のコツ
編集長のワンポイント
「釣りに行きたい気持ち」と「安全」を天秤にかけたら、常に安全を選ぶのが熟練者です。釣りはまた行けますが、命は一つです。
準備は入念に
予備の仕掛け、ハサミ、タオル、手袋、プライヤー、ゴミ袋、救急セット。最低限の準備が現場の安心感を生みます。
焦らない・無理しない
トラブルが起きても、深呼吸してゆっくり対処しましょう。焦ると状況が悪化します。糸絡みも根がかりも、落ち着けば必ず対処できます。
安全を最優先に
天候急変やケガは命に関わります。「もったいない」より「安全」を常に選ぶのがベテランの証です。
釣りで糸が絡まったときの直し方は?
まず引っ張らないことが大切です。リールのベールを起こしてテンションを解放し、スプールから糸を少しずつ引き出して絡みをほぐします。5分以上かかる場合はハサミで切って結び直す判断をしましょう。PEラインは摩擦に弱いのでより慎重に扱ってください。
根がかりしたときの正しい対処法は?
まず強く引っ張らないこと。糸をゆるめて2〜3秒待ち、竿先を下げて左右に動かしてみます。それでも外れない場合はタオルを巻いた手にラインを巻きつけて直接引っ張ります。最終手段としてラインを切る判断も大切です。予備の仕掛けは最低3セット持参しましょう。
釣りに行っても魚が釣れないときはどうすればいい?
場所を5m移動する、朝マズメ・夕マズメの時間帯を狙う、エサを新しいものに交換する、タナ(深さ)を1mずつ変えてみる、という4つの方法を順番に試しましょう。周りで釣れている人に使っている仕掛けやタナを聞くのも効果的です。
仕掛けが遠くに飛ばないのですが、コツはありますか?
力まかせに投げるのは逆効果です。竿の「しなり」を使うのがコツで、バックスイング時に竿先にオモリの重みを感じてから前に振り出します。リリースポイント(糸を離すタイミング)は竿が1時の位置のあたり。ガイドへの糸の通し忘れがないかも確認しましょう。
魚から針が外れないときはどうすればいい?
素手で外そうとせず、必ずプライヤー(ペンチ型の針外し)を使いましょう。魚をタオルで押さえ、針の軸をプライヤーでつかんで刺さった方向と逆にひねります。フックリムーバー(針外し棒)を使えば魚を触らずに外すこともできます。
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