潮回りとは?
潮回りとは、月と太陽の引力によって海面が周期的に上下する現象(潮汐)のパターンを指します。約15日周期で大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→大潮と繰り返されます。この潮回りは釣果に大きな影響を与えるため、釣りをする上で欠かせない知識です。
「今日の潮は何?」という会話が釣り人同士で交わされるのは、それだけ潮が釣果を左右するからです。この記事では、各潮回りの特徴と釣りへの影響、そして実際の釣行計画への活かし方を詳しく解説します。
潮汐のメカニズム
潮の満ち引きは主に月の引力によって起こります。月に面した側の海水は月に引っ張られて盛り上がり(満潮)、反対側も遠心力で盛り上がります。地球が自転することで、多くの場所で1日に2回の満潮と干潮が訪れます。
太陽も潮汐に影響を与えます。月と太陽が一直線に並ぶ新月と満月のときは、両方の引力が合わさって潮の干満差が最大になります。これが「大潮」です。逆に、月と太陽が直角の位置関係になる上弦・下弦の月のときは、引力が打ち消し合って干満差が最小になります。これが「小潮」です。
各潮回りの特徴と釣りへの影響
大潮(おおしお)
新月・満月前後の3〜4日間。干満差が最も大きい。
釣りへの影響:潮の動きが最も大きいため、海中の酸素や栄養分の循環が活発になり、魚の活性が上がります。特に回遊魚(アジ・サバ・イワシ)は大潮で群れの動きが活発になるため、サビキ釣りは大潮が最も有利です。
ただし、潮の流れが速すぎて仕掛けが流されやすくなるデメリットもあります。ウキ釣りや投げ釣りでは仕掛けが安定しにくいことがあるため、オモリの重さで調整が必要です。
向いている釣り:サビキ釣り、ショアジギング、泳がせ釣り、磯釣り
中潮(なかしお)
大潮と小潮の間の期間。大潮の前後に各2〜3日間。
釣りへの影響:多くのベテラン釣り師が「最も釣れる潮」と評価するのが中潮です。潮の動きが適度で、仕掛けが安定しつつも魚の活性が高い絶妙なバランスがあります。
特に大潮後の中潮(大潮の余韻がある中潮)は「後中潮(あとなかしお)」と呼ばれ、潮位差が大きめで魚の活性も高く、年間を通して最も釣果が安定する潮回りです。
向いている釣り:全般的に好条件。特にウキ釣り、エギング、根魚狙い
小潮(こしお)
上弦・下弦の月前後の3〜4日間。干満差が最も小さい。
釣りへの影響:潮の動きが緩やかで、魚の活性が全般的に低くなりがちです。回遊魚は特に影響を受けやすく、群れの動きが鈍くなります。
ただし、潮がゆっくりなため仕掛けが安定しやすく、繊細な釣りには向いている側面もあります。メバリングやアジングなどのライトゲームでは、小潮の緩やかな流れの中でじっくり攻められるメリットがあります。
向いている釣り:メバリング、アジング、穴釣り、ちょい投げ
長潮(ながしお)
小潮の後、1日だけの期間。干満の変化が最も緩やか。
釣りへの影響:一般的に最も釣れにくいとされる潮回り。潮がほとんど動かず、海中の水の入れ替わりが少ないため、魚の活性が低くなります。
長潮の日に釣行する場合は、潮が動く時間帯(わずかな満潮・干潮の前後)に集中して釣ることがポイントです。
若潮(わかしお)
長潮の翌日、1日だけの期間。潮が「若返る」(動き出す)意味。
釣りへの影響:長潮からの回復期で、少しずつ潮の動きが大きくなり始めます。「潮が動き出す」タイミングなので、長潮よりは釣果が期待できます。特に若潮から中潮に向かう流れの中で、魚の活性が上がっていく傾向があります。
潮見表(タイドグラフ)の読み方
潮見表(タイドグラフ)は、その日の潮位の変化をグラフで示したものです。釣行前に必ずチェックしましょう。
見るべきポイント
- 満潮・干潮の時刻:この前後1〜2時間が「潮が動く」時間帯で、魚の活性が高い
- 潮位差:満潮と干潮の水位差。大きいほど潮の流れが速い
- 潮の転換点:満潮から干潮へ(下げ潮)、干潮から満潮へ(上げ潮)の切り替わるタイミング
「潮が動く」時間帯を狙う
最も重要なのは「潮が動いている時間帯」に釣りをすることです。具体的には、満潮・干潮の前後1〜2時間。この時間帯は潮流が発生し、プランクトンやベイトフィッシュ(小魚)が流れに乗って移動するため、それを追って大型魚も活性が上がります。
反対に、満潮・干潮のピーク時(潮止まり)は潮の流れが止まり、魚の活性も下がりやすいです。「潮が止まったら休憩」というのはベテラン釣り師の知恵です。
上げ潮と下げ潮、どっちが釣れる?
「上げ潮」と「下げ潮」のどちらが釣れるかは、釣り場の地形や対象魚によって異なります。
上げ潮(干潮→満潮に向かう潮)
- 港内・漁港内に新鮮な海水が流入し、魚が入ってくる
- 堤防の足元の水深が増し、大型魚が寄りやすくなる
- 堤防釣り・漁港内の釣りでは上げ潮が有利
下げ潮(満潮→干潮に向かう潮)
- 港内の水が沖に流れ出し、堤防の先端部や外向きで潮が効く
- 河口では栄養分が流れ出し、シーバスなどのフィッシュイーターが活性化
- 堤防外向き・河口・サーフでは下げ潮が有利な場合が多い
両方の潮を体験して、自分がよく通う釣り場ではどちらの潮が良いかを把握するのがベストです。
魚種別・潮の好条件
アジ・サバ・イワシ(回遊魚)
大潮〜中潮の潮が動いている時間帯が圧倒的に有利。朝マズメと夕マズメに時合いが集中し、その中でも潮が動いているタイミングが最高の条件です。
カサゴ・メバル(根魚)
潮回りの影響は回遊魚ほど大きくありません。小潮でも安定して釣れるのが根魚の強み。ただし、潮が動く時間帯のほうが食い気は上がります。
クロダイ(チヌ)
大潮の満潮前後が好条件。水位が上がるとテトラや沈み瀬の周りにクロダイが寄ってきます。干潮時にポイントを下見しておくと水中の地形がわかり、満潮時の攻略に活かせます。
シーバス(スズキ)
大潮〜中潮の下げ潮が鉄板。河口では下げ潮に乗って流れ出すベイトフィッシュを待ち構えるシーバスが多く、最も活性が高い条件です。
キス
中潮〜大潮の上げ潮。上げ潮で浅場にエサを求めて接岸してくるキスを狙います。
釣行日の選び方
潮回りを考慮した釣行計画の立て方をまとめます。
- 潮見表で潮回りを確認:大潮〜中潮の日を優先的に選ぶ
- 満潮・干潮の時刻を確認:潮が動く時間帯に釣り場にいられるよう逆算する
- マズメとの重なり:朝マズメ・夕マズメと潮の動き出しが重なる日は最高条件
- 天気と風:潮が良くても強風や荒天では釣りにならない。風速5m/s以下が目安
理想は「中潮の日の朝マズメ+上げ潮の動き出し」。この条件が揃った日は、積極的に釣行しましょう。
まとめ:潮を味方につけて釣果アップ
潮回りは釣果を左右する大きな要因ですが、あくまで「確率を上げる」要素の一つです。大潮でも釣れない日はありますし、小潮でも好条件が重なれば爆釣することもあります。
大切なのは、潮回りの知識を持った上で釣行を計画し、当日の状況に応じて臨機応変に対応すること。潮見表をチェックする習慣をつけるだけで、釣果は確実に向上します。
ツリスポの潮汐情報で、お住まいの地域の潮見表をチェックしてみてください。釣りスポット情報と組み合わせれば、最高の釣行計画が立てられます。