釣った魚を美味しく食べるために。締め方から持ち帰りまで解説します。
釣った魚をそのままクーラーボックスに入れると、魚が暴れてストレスを受け、体内にATP(旨味の元になる物質)が消費されてしまいます。適切に締めることで、以下のメリットがあります。
締め方を選ぶ目安
海水と氷を混ぜた「氷水」に魚をすぐに入れて急速に冷やす方法です。小型魚に最適で、最も簡単な締め方です。数秒で仮死状態になるため、魚への負担も少なくて済みます。
クーラーボックスに氷と海水を入れる
氷と海水を3:7くらいの割合で混ぜます。真水ではなく海水を使うのがポイント。温度は0℃近くが理想です。
釣れた魚をすぐに入れる
針を外したら、素早く氷水の中に入れます。時間が経つほど鮮度が落ちるので、手早さが大切です。
そのまま冷やし続ける
魚が動かなくなったら締まった証拠です。そのまま帰るまで冷やし続けましょう。
魚の脳を専用の道具で突いて即死させる方法です。「活け締め」とも呼ばれます。魚が暴れる前に瞬時に絶命させるため、身の劣化を最小限に抑えられます。中型以上の魚に適しています。
魚をしっかり押さえる
タオルやフィッシュグリップで魚を固定します。ヒレやエラ蓋のトゲに注意してください。
脳の位置を確認する
脳は目と目の間のやや後方、眉間の少し上あたりにあります。魚種によって多少異なりますが、目の後ろ上方が目安です。
ピックを脳に突き刺す
イケ締めピック(活け締め用のアイスピックのような道具)を脳の位置に素早く突き刺します。成功すると魚が一瞬ビクッと痙攣し、その後動かなくなります。
クーラーボックスに入れる
脳締めした後はすぐにクーラーボックスで冷やします。血抜きも併せて行うとさらに効果的です。
魚の血液は時間が経つと臭みの原因になります。エラや尾の付け根を切って血を抜くことで、臭みのない美味しい身になります。脳締めとセットで行うのが基本です。
脳締めを先に行う
脳締めで魚を絶命させてから血抜きを行います。生きている状態で心臓が動いているうちに血を抜く方が効率的です。
エラの付け根を切る
エラ蓋を開き、エラの付け根(エラ膜のあたり)をナイフやハサミで切ります。太い血管が通っているので、ここを切ると効率よく血が抜けます。
海水に入れて血を抜く
バケツに汲んだ海水の中に魚を頭から入れます。5〜10分ほど浸けると血が抜けます。海水が赤く染まっていくのが見えます。
クーラーボックスで冷やす
血抜きが終わったら、水気を拭いてクーラーボックスに入れます。魚が直接氷に触れないよう、新聞紙やビニール袋で包むと身焼け(氷焼け)を防げます。
脊髄にワイヤーを通して神経を破壊する、最も高度な締め方です。脳締め・血抜きに加えて行うことで、死後硬直を大幅に遅らせ、最高の鮮度を保てます。高級魚や大型魚に行われる方法で、料理店でも使われる技術です。
脳締め・血抜きを行う
まず脳締めで魚を絶命させ、血抜きを行います。神経締めは必ず脳締めの後に行います。
神経の穴を探す
脳締めで開けた穴、または尾の切り込みから脊髄の穴(神経が通る管)を探します。背骨の上側に沿って脊髄管が通っています。
ワイヤーを挿入する
神経締め専用のワイヤーを脊髄管に差し込み、尾まで(または頭まで)通します。ワイヤーを前後に動かして神経を破壊します。成功すると魚の体がビクビクと痙攣します。
すぐに冷やす
神経締め後はすぐに氷水で冷やします。適切に処理された魚は、死後硬直が通常より大幅に遅れ、数日間刺身で楽しめます。
せっかく締めた魚も、持ち帰り方が悪いと鮮度が落ちてしまいます。ポイントは「冷やし続けること」と「直接氷に触れさせないこと」です。
帰宅したらできるだけ早く魚を処理しましょう。内臓は傷みやすく、放置すると身にまで臭みが移ります。
ウロコを取る
尾から頭に向かって、包丁の背やウロコ取りでウロコを取ります。飛び散るので、シンクの中で行うか新聞紙を敷きましょう。
内臓とエラを取り除く
腹を切り開いて内臓を取り出し、エラも取り除きます。内臓の臭みが身に移る前に、できるだけ早く処理しましょう。
腹の中をきれいに洗う
背骨に沿って血合い(黒い血の塊)が残っていることがあります。歯ブラシなどで丁寧にこすり取り、流水で洗います。
水気を拭いて保存する
キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ります。ラップで包むか、ジップロックに入れて冷蔵庫で保存しましょう。
持ち帰った魚を美味しく調理しましょう。